ひしがたけ
越後の頸城(くびき)平野を囲む古くからの山岳信仰霊山の代表(南の妙高山、北の米山、東の菱ヶ岳)であり、山名は頸城平野から菱(三角)形に見えることに由来しています。登山はもとより信越トレイルにも接続し、キューピットバレイスキー場や雪だるま温泉なども備えた総合レジャー施設となっており、家族連れでいろいろなバリエーションが楽しめます。登山道はよく整備されており、どんどん清水や水芭蕉、頂上からのすばらしい眺め、圧巻の不動滝と火炎石などをゆっくりと見て楽しんできましょう。
出発地点のグリーンパークとそのすぐ横にある東登山口の案内板 | どんどん清水:標高920m地点に湧く冷たくきれいな清水 | ゴンドラ山頂駅と登山口の大看板 | ||
小さな沢が多く、水芭蕉が群生しています | 山頂の薬師堂:晴れていれば大パノラマが広がります。自分の目で確かめましょう | きれいなブナ林 | ||
西登山口(国道端)と不動滝下り口 | 火炎石(遠景) | 不動滝:落差40mの圧巻です |
コース案内
・登山コースは「グリーンパークぶなの森」横の「東登山口」からゲレンデを上り、ゴンドラ山頂駅を経て菱ヶ岳山頂まで登ります。下山は国道脇の「西登山口」へ、そのすぐ横の不動滝と火炎石を見てから出発地点の東登山口まで歩いて戻る周回コースが一般的です。
・登山コースにトイレはありません。麓のキューピットバレイ駐車場に公衆トイレがあります。
・お土産は麓のキューピットバレイセンターハウス、雪だるま温泉、雪だるま物産館等があります。
・コース上での休憩所はゴンドラ山頂駅と菱ヶ岳山頂の薬師堂(避難小屋)があります。
・自然遊歩道や信越トレイルへの接続分岐はありますが、登山道には明確な案内標柱があります。
・ゴンドラ山頂駅〜菱ヶ岳山頂〜西登山口までの間は小さな沢が多く、いたるところで水芭蕉が群生しています。 また山頂から西登山口の間はブナ林がとてもきれいです。(この区間以外はスキー場ゲレンデ内と舗装道です)
・西登山口の道路反対側を火炎石の脇から急坂を下りますが、圧巻の不動滝があります。これを見なくては菱ヶ岳の魅力が半減します。
・西登山口からは国道403号線と市道を歩いて東登山口へ戻ります。結構長い下り道ですので、西登山口にあらかじめ自転車を止めて置くという手もあります。
登山道はほぼ全体が赤土道で木の葉も多く、雨天時や降雨後は大変滑りやすくなります。 | |
山頂から西登山口の間は急勾配が多いので特に注意してください。 |
交通 | ●車利用の場合 国道253号線の上越市浦川原区虫川交差点を南に折れ約20分で須川集落へ。東登山口(グリーンパーク)には乗用車20台程度の、西登山口(不動滝下り口)には乗用車5〜6台程度の駐車スペースがあります。 ●電車利用の場合 上越新幹線「越後湯沢駅」、または信越線「直江津駅」乗継ぎ、ほくほく線「虫川大杉駅」下車、東頸バスで須川下車。 |
親子 コースタイム |
・グリーンパークP(東登山口) → (50分) → どんどん清水 → (10分) → ゴンドラ山頂駅 → (50分) → 菱ヶ岳山頂(上り所要1時間50分) ・菱ヶ岳山頂 → (50分) → R403(西登山口) → (20分) → 不動滝 → (25分) → R403(西登山口) → (90分) → グリーンパークP(東登山口)(下り所要3時間5分) |
-
一等三角点のお話
菱ヶ岳(1,129m)の山頂には一等三角点というものがあります。三角点は明治新政府が日本の近代化を進める中のひとつとして正確な国土位置測量・地図作成等のために必要であった測量基準点で、一等から五等まであり、最初に設置した基準が一等三角点です。
冒頭で説明した頸城平野を囲む妙高山(2,454m)と米山(993m)にも一等三角点があります。
頸城平野を囲む中にある一等三角点は全部で4カ所ありますが、このうち3つまではなぜか不思議なことにここで紹介した修験霊山です。残る一つは山ではなく日本海のすぐそば黒井神社(直江津港にほど近い旧北国街道の黒井宿の入り口に鎮座する村社です。これまた不思議ながら神様を祀っている信仰の場所です。)の境内北側にあり、この黒井三角点の標高はなんとたったの4m90cmで、新潟県内に29ヶ所ある一等三角点のうち最低標高です。
三角点は名前が示す通り三角測量で用いる基準点で、なるべく正三角形を結べる約45km(本点距離で補点は約25km)離れた地点に設置されたものですので必ずしも山の頂上である必要はなく、黒井神社内のように平地なんてこともあるわけです。ただなるべくなら結ぶ相手の一等三角点が見えるに越したことがありませんから、自ずと山の頂が多いわけです。
ちなみに菱ヶ岳・米山・黒井の3点をつないでみると、きれいな二等辺三角形が描け(他の組み合わせでもほぼ同じです)、妙高山・菱ヶ岳・米山・長者原(西隣りの名立にある一等三角点)の4点をつないでみるとこちらはほぼ正確な平行四辺形が描けます。(妙高山と米山は本点ですが、菱ヶ岳・黒井・長者原は補点です。)信濃と越後を結んだ「信越トレイル」
菱ヶ岳の南を「信越トレイル」が通っています。これは長野県と新潟県の県境にある関田(せきだ)山脈をつなぐ、80kmにおよぶ自然歩道で、2008年(平成20年)に完成しました。ブナ林の中を歩く自然豊なルートであり、かつて信濃と越後を結んだ16の峠を通る、歴史をかいまみることができるルートです。
-
菱ヶ岳情報 |
|
お問合わせ |
日本山岳会 越後支部 |
登山計画書を書いて出かけよう! 登山計画書PDF