せきどうさん

明治のころまで1000年以上にわたって修験者やお坊さんが住み、山ごもりの修行をしていた信仰の山です。そのころのお寺や神社の遺跡がたくさん残っていて、石動山の山頂の辺りは国によって史跡に指定されています。復元されたお寺の建物や、遺跡を説明する看板があちこちにあるので、遺跡めぐりをして楽しむことができます。また、神様が宿るとされる山の神聖な森が今でも残っていて、初夏には新緑、秋には紅葉がきれいです。
登山道は、昔お坊さんたちが歩いていた道だと言われています。昔の人はどんな気持ちで歩いていたのかな…? 石段は滑りやすいので注意しましょう。
登山口(伊須流岐比古神社:いするぎひこじんじゃ)には湧き水があります。地元の人たちが汲んでいってコーヒーを沸かしたりお米をたいたりするそうです。
山頂は大御前(おおごぜん)と呼ばれていて、お社があります。
晴れた日には日本海が見えます。
イワシガ池。湧き水がたまった池できれいに透き通ってます。昔、飢饉のときに鰯が湧いてきて、人々を飢えから救ったと言います。
大宮坊。昔、お坊さんが住んでいた建物を復元して展示してあります。
登山口のすぐそばに資料館があります。実際に山にあった仏像や、山ごもりの修行に使われた道具などが展示されています。

   
登山道のあちこちに古い石段が残っています。昔のお坊さんは毎日ここを歩いていたのでしょうか   山頂の大御前には、地元の人が大切に守ってきた神社があります   石動山資料館には、修験者の像や修行に使う道具、古い地図などが展示してあります

●施設
・石動山資料館
仏像、古文書などを見ることができます。管理人が常駐していて、石動山の歴史にまつわることをいろいろ教えてくれます。また、出かける何日か前に電話すれば、地元のガイドさんを紹介してもらうこともできます。ガイドさんは石動山の歴史が好きな人たちの集まりで、石動山の伝説やおもしろい知識など、楽しいお話を聞けます。

・大宮坊
石動山の修行僧たちが住んでいた建物の中でも特に大きな建物を、中能登町が復元したものが展示されていて、無料で見学することができます。

 

ぬれた石段や石畳はとても滑って転びやすいので、雨が降った後は注意しましょう。
分かれ道がたくさんあって慣れない人は迷うことがあります。事前にしっかりとした地図を用意したり、登る前に資料館に寄ってマップが載っているパンフレットをもらったりしましょう。また、地元の人にガイドをお願いするともっと確実です。
アクセス 北陸自動車道金沢森本インターチェンジから国道159号線を七尾方面にたどり、1時間ほどで中能登町に入ったら県道244号線(七尾街道)を走ります。15〜20分ほどで「国史跡 石動山」などと書いた標識が見えてくるので、標識に従って林道に入っていきます。石動山資料館の周りにたくさん駐車場があり、ここに駐車すると登山口まですぐ着くことができます。
 
*原山地内から石動山に続く「林道城石線」は2014年8月現在通行止めです。中能登町二宮から入る林道石動山1号線を通ってください。
コース 駐車場〜(5分)〜伊須流岐比古神社(登山口)〜(5分)〜拝殿、五重塔跡〜(10分)〜梅宮跡〜(20分)〜大御前〜(15分)〜梅宮跡〜(10分)〜五重塔跡〜(5分)〜大宮坊、イワシガ池〜(5分)〜駐車場
 
*このほかにもさまざまな史跡があります。
親子
コースタイム
登り40分、下り35分、計1時間15分
交通 バスなど公共交通機関は通っていないので、マイカーなどで来る必要があります。

何度も戦場になった山

中世、石動山は大名同士の領地争いなどに巻き込まれ何度も戦場になりました。そのころはお坊さんもただ強い武士に従わされるのではなく、武装した僧兵として戦い、修行する自由を守ろうとしていました。その強さは大名たちにとっても無視できるものではなく、その分激しい攻撃を受けることもありました。特に天正十年(1582年)に前田利家らによって全山焼き討ちにあったときには、多くの建物が焼けました。しかし江戸時代になると、前田家の下に付くことで修行の自由を約束され、明治のころまでたくさんのお坊さんが暮らしていたそうです。

石動山ユリ

石動山には、ヤマユリという白いユリが昔から生えていて、石動山ユリとよばれ地元の人たちに親しまれてきました。この花は本来石川県には無い花ですが、昔修験者が、食用にと東北から持ち帰り植えたのが増えたといわれています一時期、花を盗む人がいたりして数を減らしていましたが、地元の人がまた増やそうとしています。登山口の周辺で、7月下旬ごろきれいな花を咲かせます。

石動山の森はお寺や神社の聖地で、あまり人の手が入らず、長い年月を生き延びた大木がたくさん残っています。そのおかげか、能登半島で唯一、山にしか生えないある種類の木の林があることで有名です。その木の種類とは何でしょうか。

1. ミズナラ

2. ハイマツ

3. ブナ

本来、北陸地方では標高1000メートルほどの山に生える木で、標高500メートルほどの石動山にあるのは珍しいと言います。ブナの林はおよそ15ヘクタールの広さのです。秋になると葉が黄色になり、森全体が明るく色づきます。

石動山の名前の由来は、「動字石」と呼ばれる石が揺れ動き、山全体が震えたことからこの名が付いたという伝説が残っています。それでは、この不思議な石はどこからやってきたと言われているでしょうか。

1. 海の中から転がり出てきた

2. 空から降ってきた

石動山の古い記録には、空から星が落ちてきて石となったのがこの動字石だと書かれています。今でもこの石は伊須流岐比古神社の境内にあり、大切に奉られています。

3. 山より大きな巨人が担いで持ってきた

石動山情報

石動山資料館 Tel. 0767-76-0408

 

お問合わせ

日本山岳会 石川支部 Tel. 076-232-3555

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