しこくかるすと(おおのがはら)
四国カルストは愛媛県と高知県の県境に位置し、日本三大カルストとして知られており、その総延長は25kmもあります。また、標高1000〜1500mにあるカルスト台地としては高さ、長さとともに日本一です。ここは源氏ヶ駄馬の展望や小屋山のブナの原生林など見所がたくさんあります。今回はそれらを楽しむ大野ヶ原のコースを紹介します。
駐車場がある登山口。土産物店、トイレもある | 石灰岩が露出した源氏ヶ駄馬 | 草原状になった源氏ヶ駄馬の山頂 | ||
立派な宗教施設がある源氏ヶ駄馬の山頂 | 山頂にある一等三角点 | 源氏ヶ駄馬の北面では牛が放牧されている |
大野ヶ原
県道野村柳谷線沿いの「ミルク園」を起点にスタートします。
公衆トイレの左側の道を奥ヘ進み、キャンプ場から牧場の柵に沿ってまっすぐに登ります。
山頂はなだらかで1402.8mの三角点のある所には、花崗岩でできた社があり、奥四国カルスト大師が祀られている大空海山幸福寺があります。
山頂から見下ろすなだらかなすり鉢状の場所が源氏ヶ駄馬で、酪農が盛んです。
尾根からは大野ヶ原の町並みや小屋山のブナ原生林、大川峰、五段高原、遠くには石鎚山も見え、高知県側は眼下に檮原の集落、さらにその奥もずっと山並が続いています。
小屋山のブナ林は、ミルク園から林道を40分ほど歩き、林道終点の駐車場から牧場の中の農道を10分ほど歩くと小屋山登山口に着きます。
小屋山へは地図と磁石を持っていき、現在位置や進行方向を確認しながら行くこと |
アクセス | 松山市方面から国道33号線の柳谷村落出で国道440号線に入り高知県境の地芳峠へ。峠の手前で右に入ると大野ヶ原です。 大洲市方面からは、国道197号線で肱川を経て野村町坂石から県道野村柳谷線に入ります。 |
親子 コースタイム |
ミルク園 → 30分 → 尾根 → 10分 → 三角点 → 20分 → 尾根の農道 → 30分 → ミルク園 → 40分 → 駐車場 → 10分 → 小屋山登山口 → 30分 → ブナ原生林奥 → 30分 → 小屋山登山口 → 10分 → 駐車場 → 30分 → ミルク園 |
源氏ヶ駄馬
源氏ヶ駄馬の"駄場"というのは、高地にある傾斜の緩やかな平地を意味しています。
遠くまで360度見渡せる大パノラマが楽しめる平らかな土地で、中腹には弘法大師伝説の「一夜ヶ森」があります。
一夜ヶ森
弘法大師が大野ヶ原に一夜でお堂を建立しようとした際、天の邪鬼が邪魔をしてできた森が、この一夜ヶ森です。
別名"降り山"ともいうこの森は、山火事でも延焼したことがなかったそうで"入らずの森"とも呼ばれています。
カルスト
この場所の石灰岩は2億年前の古代二畳紀に海底に堆積してできたもので、本来は樹木に覆われていますが、放牧地となった際に現在の姿になりました。
ドリーネ(源氏ヶ駄馬の地形)
石灰岩の地域にみられるすり鉢状の地形です。
柳谷キャニオン
柳谷の黒川下流の面河川との合流地点手前に、「八釜」と呼ばれる甌穴群(おうけつぐん)があります。甌穴(おうけつ)とは河底や河岸の岩石面上にできる円形の穴で、ここでは大きいものは9〜12mもあり、特別天然記念物に指定されています。また、この周辺の渓谷は別名「柳谷キャニオン」とも呼ばれています。
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お風呂のような穴ぼこがある柳谷キャニオン
柳谷の黒川下流の面河川との合流地点手前に、「八釜」と呼ばれる甌穴群(おうけつぐん)があります。甌穴(おうけつ)とは河底や河岸の岩石面上にできる円形の穴で、ここでは大きいものは9〜12mもあり、特別天然記念物に指定されています。また、この周辺の渓谷は別名「柳谷キャニオン」とも呼ばれています。
坂本龍馬が脱藩をした道
大野ヶ原の西端に韮ヶ峠があり、そこを通る道は「維新の道」といわれています。坂本龍馬が土佐(高知県)から脱藩するときに通った道です。坂本龍馬は、澤村惣之丞(さわむらそのじょう)らと1862年(文久2年)3月に韮ヶ峠を越え、伊予(愛媛県)に脱藩しました。龍馬脱藩の道を歩くイベントが毎年開催されています。
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四国カルストは石灰岩の台地です。さて、この石灰岩はどうやってできたでしょう?
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四国カルストの石灰岩はサンゴをはじめ、石灰藻や層孔虫などの生物で構成されています。海底にあった火山島の上にサンゴ礁ができ、大陸にぶつかり、大陸の岩などと混ざりあって隆起しました。そうやって日本列島ができました。
四国カルスト情報 |
四国カルストミルク園 Tel. 0894-76-0739
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お問合わせ |
日本山岳会 四国支部 |
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