たんばらしつげん
日本百名山の一つ標高2158mの武尊山。その武尊山の西斜面の標高およそ1150mから1600mの間に広がる玉原高原は、ブナの原生林と最近ではスキーゲレンデが6月から、9月にはラベンダーパークとして有名です。玉原湿原は玉原高原の北やや西寄りのブナ林に囲まれた4.3ヘクタールほどの湿原です。湿原を一周する歩道も整備され、雪解けから秋の紅葉のころまで、玉原高原のブナ林や周辺の山々の軽登山と合わせ、自然観察をしながら手軽にハイキングを楽しむことができます。
ここは小尾瀬とも呼ばれています。尾瀬のような大きな湿原ではありませんが、さまざまな植物を観察することができます。
ミズバショウは尾瀬よりひと月も早い4月中旬からその白い姿を見せ、夏はトキソウ、コバイケイソウ、ツルコケモモ、ミズギクなど、そして秋にはヤマトリカブト、タムラソウなどの花が開き、尾瀬ヶ原と共通する種類も多く見られます。
センターハウス 玉原湿原へ行くには玉原湖畔の小高い台地にあるセンターハウスを起点に、しばらく舗装道路を歩きます。ここにバスの終点と駐車場もあります。センターハウスには自販機やトイレもあります。冬季は閉鎖されます |
ブナの湧水 センターハウスから緩やかな下り坂を歩き始めるとすぐ、右手にブナの湧き水があります。広大な玉原のブナ林の地下に蓄えられた水がこんこんと湧き出ています |
自然環境センター しばらく歩くと左手に山小屋風の自然環境センターが見えてきます。室内には玉原の自然についての興味深い展示品が所狭しと並べられています。トイレも併設されています。玉原湿原へはここから道標に従って右手の歩道に入ります |
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玉原湿原 樹林の中の道を歩くとすぐ湿原一周の木道に出ます。湿原一周は整備された道を30分ほどの行程ですが、植物の観察をしながらゆっくり歩きましょう |
玉原湖と尼ヶ禿山 玉原高原の西の端に人造湖の玉原湖があります。ここが玉原高原で最も標高の低いところで、湖の西には標高1466mの尼ヶ禿山がそびえています |
道からはずれないように。特に湿原では、木道からはみださないように歩きましょう。また植物の採取などは厳禁です。 |
アクセス | JR沼田駅 → 関越交通バス約1時間10分 → 玉原センターハウス※土日祝日のみ。 |
コース | 玉原センターハウス → 自然環境センター → 玉原湿原(一周)→自然観察センター → センターハウス そのほか、湿原からブナ林を歩いてセンターハウスに戻るコースは自然観察と森林浴に最適です。西にそびえる尼ヶ禿山(1466m)、玉原高原の東、スキー場の最高地点からほど近い鹿俣山(1636.7m)へ登るコースもあります。 |
親子 コースタイム |
玉原湿原1周だけなら、約1時間ほどですが、のんびり植物観察しながら歩くことをすすめます。また玉原高原のブナ林を歩くコースや尼ヶ禿山、鹿俣山コースなどさまざまなハイキングコースを組み合わせることもできます。それぞれのコースは3~4時間ほどで歩けます。湿原入り口に案内板もあります。 |
交通 | ●バス利用 沼田駅~玉原センターハウス間のバスは土日祝日運転で、沼田駅発9:20、12:26、15:28の3本。帰りはセンターハウス発10:32、13:55、16:42。 ●車利用 自動車の場合は関越自動車道沼田インターからセンターハウスまで約20km、センターハウス前に駐車場。 |
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揚水式発電とロックフィルダム
玉原湖は1981年に完成した玉原ダムによって生まれた人造湖です。玉原湖を上池、北にある利根川本流の藤原湖を下池として、余った電力を使って水を上池にあげ、電力が必要になった時にその水を使って発電する揚水式発電を行っているのです。利根川水系では神流川発電所に次ぐ120万kwの出力を誇ります。
玉原湖を作った玉原ダムは沼田市に流れ下る薄根川の支流発知川をせき止めたダムです。このダムは岩を積み上げたダムで、ロックフィルダムと呼ばれ、高さは110m、長さは570mあります。ラベンダーパーク
鹿俣山の西斜面に広がるたんばらスキーパークは夏にはラベンダーパークに変わります。ラベンダーの見ごろは7月中旬から8月中旬です。レストランや土産物店などもあります。入園料のほかリフト料金も必要です。
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玉原湿原は小尾瀨とも呼ばれ、ミズバショウ(水芭蕉)が咲き誇ります。さて、このミズバショウ、夏にはどうなるでしょうか。
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ミズバショウは成長すると大きくなり、1m以上の葉になることもあります。数十年に及ぶ寿命があり、シュウ酸カルシウムやアルカロイドが含まれているため、人間には毒です。
玉原湿原情報 |
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日本山岳会 群馬支部 |
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