ぶこうさん
秩父市街に入るとどこからも見える武甲山は奥武蔵の最高峰です。かつては、秩父岳と呼ばれ、秩父盆地に暮らす人々に篤く信仰された山でした。しかし、石灰岩の採掘が進み、山頂までが削られ、その山容は岩肌が荒々しく、標高も下がってしまいました。それでも今なお、奥武蔵の盟主としての存在感は健在です。
西武鉄道秩父線「横瀬駅」 | 登山道入り口 | 最初の水場(不動滝) | ||
20丁目にある御嶽神社の石塔 | 頂上にある御嶽神社 | 橋立への案内 | ||
武甲山山頂 | 橋立の滝 | 橋立鍾乳洞入口 |
生川登山口から表参道をたどり、御嶽神社が祀られた武甲山山頂から西へ、秩父鉄道「浦山口駅」へ下山するコースを紹介します。
登山道入り口には、1丁目石と一の鳥居が迎えてくれます。登山道入り口脇にある武甲山概要図を見て歩き始めましょう。登山届BOXがあるので、必ず登山届を入れましょう。杉木立の中の登山道を進み、生川養魚場の脇を抜け、渓流沿いの山道をすすみます。傾斜のきついコンクリート道をしばらく歩き左に車道を見送り、直進します。ここには15丁目の石標があり、10分ほどで、不動ノ滝(18丁目)から落ちる水場に着きます。この先に水場はなく、ここで水の補給と休憩をするとよいでしょう。山頂までは、大きな杉木立が続き、深山の雰囲気が漂わせています。また登山道には頂上まで丁目石を数えながら登ることで子どもたちと遊び感覚で登れます。九十九折りの道を上り続けると、杉の大木の立つ広場が現れます。ここが「大杉の広場」(1,000m)。
ここで休憩しましょう。ここは32丁目で、山頂まで「あと50分」の看板が立っています。この先も杉木立の道が続きます。やがて進路を左に変え、登り切ったところが、52丁目となります。
武甲山の山頂には御嶽神社があり、社の裏手に展望台があります。社の左手を回り、T字路を左に行けば第一展望台、右に行けば第二展望台で、秩父盆地や西上州の大きな展望が広がります。
第二展望台の手前を注意して探すと二等三角点があります。かなり古いもののようです。
下山は、52丁目の丁名石の分岐を右に橋立方面へ下ります。下り道からは、やや展望が開けます。
しばらく急な下り坂が続くので、注意が必要です。急な下りを続けると、やがて長者屋敷の頭に出ます。ここから、道は尾根を離れ、杉の植林帯を下っていきます。渓流の水音が聞こえてくると橋立川はすぐです。橋立川を渡り、林道をしばらく歩くと、右側に橋立寺(札所28番)、橋立鍾乳洞に出ます。時間があれば、鍾乳洞の見学や売店で休憩するのもよいと思います。
橋立寺の会談を下り、10分ほど進んで、左折すれば秩父鉄道「浦山口駅」です。
頂上から下りは、すぐに道幅が狭く、急で滑りやすい。(特に雨天時、雨天後) |
アクセス | 西武鉄道「横瀬駅」から生川(登山道入り口)1時間30分(タクシー20分) |
コース | 上り 生川登山口(30分)不動滝(水場)(50分)大杉広場(1時間)頂上(40分) 下山 頂上(50分)長者屋敷の頭(40分)橋立川林道(1時間10分)橋立寺(10分)秩父鉄道「浦山口駅」 |
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天然記念物「武甲山石灰岩特殊植物群落」
武甲山は石灰岩でできているため、植物も石灰岩植物といわれる特殊な植物が生育しています。武甲山固有の植物もあり、チチブイワザクラ、チチブヤナギ、イワツクバネウツギ、ミヤマスカシユリ、チチブヒョウタンボク、ブコウマメザクラなど稀少な植物があります。『武甲山植物誌』(守屋忠之著)によれば121科721種147変種43品種を数えます。
サンゴの山、武甲山
武甲山は埼玉県の秩父盆地にあります。が、約3億年前にはサンゴ礁として太平洋にありました。太平洋プレートにのって移動し、地殻変動によって隆起し山になりました。武甲山の石灰岩はサンゴなどが堆積したもので、白色または灰白色をしています。
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武甲山は石灰岩の山で、いまでも採掘が行われています。さて、この石灰岩、何の原料になるでしょうか?
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セメントの原料は石灰石です。サンゴは石灰石となり、石灰石はセメントとなり、砂と水を混ぜるとモルタル、砂と砂利と水を混ぜるとコンクリートになります。石灰岩は、天然資源の埋蔵量が少ない日本にとって、国内で自給可能な数少ない資源でもあります。ビルや家の壁はサンゴでできているのです。
武甲山情報 |
武甲山資料館 Tel. 0494-24-7555
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お問合わせ |
日本山岳会 埼玉支部 山崎保夫 |
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