てんらんざん・とうのすやま
天覧山(てんらんざん)は飯能駅近くにある奥武蔵の山です。勾配は緩やかで、197mと低山ながら富士山や遠く丹沢の山々まで望めます。
山頂から北西に続くハイキングコースを辿ると、そこは多峯主山(とうのすやま)です。途中に子ども用の鎖場があります。山頂は見晴しが良く、伊豆ヶ岳など奥武蔵の山々や飯能の街を眺められます。余力があれば、歴史ある雨乞池や御嶽八幡神社に立ち寄ったり、飯能河原で川遊びを楽しんだりできます。
観音寺の張り子の白象 観音寺(かんのんじ)は飯能駅から歩いて15分ほど。ここから5分ほど歩くと天覧山入口に着きます。鐘楼堂には張り子の白象が収められています。また、幼児の健やかな成長を祈る人達からの信仰が厚い、天狗地蔵(てんぐじぞう)が祀られています |
天覧山の青いどんぐり 夏の終わりにはどんぐりが落ちていることも。どんぐりを見つけたら、上を向いてどの木の実なのか探すのも山の楽しみ方のひとつです。見分け方のコツは、葉っぱとどんぐりの帽子の形。写真はコナラのどんぐりです |
十六羅漢像 天覧山中段を山頂に向かって歩いたところの分岐を左に折れると、石仏の十六羅漢像が右手に現れます。ここから先は岩の階段で、子どもには段差が大きいかもしれません。ゆっくり慎重に登りましょう。岩の階段を避ける方は、上記の分岐を右に折れるとよいでしょう |
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天覧山の山頂 天覧山の山頂にはコンクリート造りの展望台があり、東京方面を一望できます。晴れていれば、西から鷹ノ巣山や大岳山など奥多摩の山々、富士山、陣馬山、丹沢山や塔ノ岳など丹沢の山々まで眺めることができます。標高が低いので、冬になると空気が澄んで一層見晴しが良くなります。多峯主山へのハイキングコースは、山頂の標識に向かって一番左手の階段に続いています |
見返り坂の階段 見返り坂は、源義経の母・常盤御前があまりの風景の良さに何度も振り返ったという伝説があります。残念ながら、杉の木が成長した現在は展望がありません。この階段は段差が小さく歩きやすいのですが、つづら折りがしばらく続きます。子どもとじゃんけん遊びなどしながら歩くと飽きないかもしれません。走りだしてしまう子どもには、目の届くところにいるよう約束しておきましょう |
子ども用の鎖場 鎖場は子ども専用です。一度に5人まで。斜度は緩やかですが、落石注意の看板があります。鎖場に沿って石段が続くので、そちらを歩いて山頂に行くこともできます |
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多峯主山の山頂 多峯主山山頂は見晴しが良く、テーブルとベンチがあるので休憩するのに最適です。また、東南に飯能の街が一望できるので、子どもが自分の足で歩くことができたことに自信を持たせるきっかけになりそうです |
雨乞池 雨乞池は、山頂であるにも関わらず、水の枯れたことがないといわれている池です。池の周りを囲むようにベンチと東屋があるので、休憩するのにちょうどよい場所です |
飯能河原 天覧山の麓にある能仁寺(のうにんじ)からまっすぐ南に進み、飯能市郷土館の交差点を越えて急な坂道を降りきったところのT字路を左折すると、右手に飯能河原が見えます。この河原は入間川が蛇行してできたものです。BBQのレンタルがあり川遊びもできるので、休日は家族連れで賑わっています。赤い割岩橋を渡り30分ほど南東に歩くと飯能駅に到着します |
粘土質の道が多いので、雨上がりは足元が滑りやすくなります。 |
アクセス | 飯能駅から徒歩約20分で天覧山入口 |
コース | 飯能駅 → (15分) → 観音寺 → (5分) → 天覧山入口 → (15分) → 天覧山展望台 → (50分) → 多峯主山 → (5分) → 黒田直邦の墓 → (15分) →御嶽八幡神社 → (10分) → 常盤平 → (5分) → 雨乞池 → (5分) → 常盤平 → (1時間10分) → 飯能河原 → (30分) → 飯能駅 約3時間45分 |
交通 | ●電車利用 西武池袋線池袋駅 → 飯能駅 |
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3回名前が変わった山
天覧山(てんらんざん)は、名前が3回変わっている山です。もとは愛宕権現を祀っていたことから「愛宕山(あたごやま)」と呼ばれていましたが、徳川五代将軍綱吉の病気が治ったお礼として生母・桂昌院が石仏の十六羅漢像を奉じたことから「羅漢山(らかんざん)」と名を変えました。そして、明治天皇が軍の演習を視察したことから「天覧山(てんらんざん)」と呼ばれるようになり今日に至ります。
1万以上のお経を埋めた頂上
天覧山の西には多峰主山(とうのすやま)があります。山名の意味は、数多くの山の中で中心に位置する、砂地が多い山などの説があります。山頂は展望がよくて奥多摩や富士山が望め、お経を埋めた塚があります。1万以上もの経文を書いた石が埋められてると言われています。
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観音寺には張り子の白象があります。これはお釈迦様が生まれる前、白象になってお母さんの胎内に入ったという伝説などから、檀家の人が作って収めたものです。さて、お釈迦様はどこから産まれたでしょうか?
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伝説によると、お母さん(マーヤー)の右脇から産まれました。4月8日のことです。誕生すると、7歩歩いて、右手で天を、左手で地を差して「天上天下唯我独尊(てんじょうてんがゆいがどくそん)」と言いました。
天覧山情報 |
西武鉄道 ハイキングマップ 多峯主山
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