たかみずさんざん

多摩川渓谷の北側に並んだ山を縦走します。高水山(759m)、岩茸石山(793m)、惣岳山(756m)の三山を併せて「高水三山」と呼び、奥多摩の入門コースとして人気を集めています。いずれも標高800m足らずですが、奥多摩の魅力を味わうことができます。のどかな山里を歩いていくと、いきなり沢や大きな岩のある急な登りがあります。快適な山の稜線歩き・展望を楽しみ、スギやヒノキの森で森林浴、明るく四季の変化がある広葉樹林の美しさ、花や野鳥、動物など生態系の豊かさ、歴史ある神社や寺など自然と人のくらしが一体となった奥多摩らしさを十分に体験することができるでしょう。

   
軍畑駅付近   都道の標識   登山口付近

①JR青梅線軍畑駅で下車、左方向へ少し戻って無人踏切を渡ります。線路脇の表示が、立川から24.5kmの距離にあることを示めしています。線路は単線です。杉林に沿って都道に下ります。
 
②都道は「旧鎌倉街道」です。鎌倉方面に通じる重要な街道でした。標識が「高水山まで約3km」と指示しています。平溝川に沿って緩やかな街道を登っていきます。道は、高水山に向かって、いくつも分かれていきます。標識にしたがって進みましょう。
 
③登山口から山道にはいり、橋を渡って少し行くと高さ15mぐらいの砂防堰堤があります。コンクリートのむき出しではなく、自然の石を積み重ねたように装飾したようです。林道の終点に砂防ダムについての説明板があります。

   
合目石   常福院の不動尊   高水山から岩茸石山への稜線

④合目石といいます。お寺に通じる参道のなごりで、登山道に1合目、2合目…と、高さの目印を石に彫った柱があります。次は、どこにあるのか探しながら登るのも宝探しみたいで励みになるよ。長さを丁目で表したのもあります。
 
⑤常福院の不動堂。真言宗の古いお寺で、浪切不動が安置されています。何度か山火事にあったが、1822年に再建されたお堂は東京都の重要文化財になっています。
 
⑥高水山から岩茸石山への稜線。左側はスギ、ヒノキの植林地、右側は明るい広葉樹林のコントラストが面白い。花や鳥の観察にも良い。稜線は東京都と埼玉県の分境嶺になっており、これを境に雨水は、南は東京の多摩川、北は埼玉の荒川水系へと流れていきます。

   
岩茸石山付近   青渭(あおい)神社   惣岳山のご神水

⑦岩茸石山には、かつてイワタケがたくさん採れたそうです。地面から突き出ている岩は非常に硬く堆積岩の一種であるチャートという岩石で出来ている。東には飯能方面、北は奥武蔵、西には奥多摩の山々が重なり抜群の展望がある。
 
⑧惣岳山。頂上には、平安時代の記録「延期式」に記載されている青渭(あおい)神社といわれる神社の奥ノ院がある。神域では昔から樹木が大切にされ、伐採が禁じられたので、暗い感じがするが、深呼吸をして山の気、木の香りを感じてみよう。お堂は古く金網で保護されている。
 
⑨いまは、ほとんど水が湧き出していないが、惣岳山のご神水としてスギの大木に守られ大切にされてきた。ここから参道を下る。

御嶽駅改札の横に御岳インフォメーションセンターがあるので寄ってみよう。関東ふれあいの道のパンフレットなどが置いてある。
平溝橋の分岐までは坂やカーブがあり、車やバイクが飛び出してくることがあります。歩道のないところもあるので、十分気をつけよう。
植物の採取は禁じられています。とって良いのは写真だけ。ゴミは持ち帰りましょう。
岩場の登りは両手両足を使い三点支持(三点確保)で、確実に登ろう。岩や木の根が飛び出したところの下りは足元に気をつけて慎重に。赤土も滑りやすいので走ったりしないこと。
神社や寺、また御神水など神聖な場所を汚したり、いたずらすることは厳禁です。
親子
コースタイム
軍畑 → (30分)高源寺 → (60分)常福院 → (5分)高水山 → (35分)岩茸石山 → (40分)惣岳山 → (45分)四つ角 → (30分)御嶽駅
 
※御嶽駅を起点に反対周りだと、所要時間は30分ぐらい多くかかる。御嶽駅を起点にする場合は、岩茸石山から棒ノ折山に向かうコースもよい。花の多い春がおすすめ。
 
※JR東青梅駅から都バスで上成木まで行き、昔の表参道から高水山に登ることもできる。(バスで39分、本数が少ないので事前確認のこと)
交通 [行き]JR青梅線軍畑駅 
 
[帰り]JR青梅線御嶽駅

常福院不動堂

鎌倉時代の武将/畠山重忠の信仰が篤かった。今の埼玉県嵐山町に屋敷があり、鎌倉へ向かう度に立ち寄ったという。銀の玉を奉納したとか、山火事で燃えてしまった社殿を建てかえたとの伝承もある。毎年4月の例大祭にはお堂の前で獅子舞が奉納される。山門にはイノシシに乗った閻魔大王がいるのでのぞいてみよう。狛犬さんが可愛らしい。

岩茸石山の三角点

三角測量に使われた三等三角点がある。現在使われている地図のほとんどが、この時作られた国土地理院(前身は陸軍陸地測量部)の地形図を参考にしている。すべての山頂に三角点があるわけではないので、昔から見通しがよかったわけだ。岩茸石山の山頂からは、西に二等三角点の川苔山、本仁田山、その間に一等三角点の雲取山が見える。

関東ふれあいの道」山草のみち

「関東ふれあいの道」は環境省の構想に基づき東京都、神奈川県など一都六県が整備した1799kmのロングトレイル。東京都内には高尾山から棒ノ折山まで6つのコースがあり、「山草のみち」は御嶽駅からスタートして惣岳山、岩茸石山を通り棒ノ折山から大丹波/上日向までのコース。

惣岳山

青渭神社に祀られているのは大国主命で惣岳神という。「惣岳さま」とよばれ、総嶽と書かれたものもある。平安時代の延喜式に記載されている神社といわれ、ルーツは古墳時代まで遡るとされる。青渭神社の里宮は沢井にある。

高水山から岩茸石山へ向かって進む稜線で左側/南側の林は地図記号で表すとどれでしょうか?

1. 針葉樹記号

答は1の針葉樹です。このあたりはスギあるいはヒノキの針葉樹を植林した林が広がっています。

2. 広葉樹記号

3. 果樹または、ハイマツなどの記号

岩茸石山からは東京都との県境の山が見えます。それはどこの県でしょうか?

1. 神奈川県

2. 山梨県

3. 埼玉県

答は3の埼玉県です。北側に長尾丸山、棒ノ折山、黒山などの山並みを望むことができます。

高水三山情報

青梅市役所 Tel. 0428-22-1111
青梅市観光協会 Tel. 0428-24-2481
都営バス青梅支所 Tel. 0428-23-0288
西東京バス氷川車庫 Tel. 0428-83-2126
御岳インフォメーションセンター Tel. 0428-78-9363

 

お問合わせ

日本山岳会 東京多摩支部

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