なべわりやま
鍋割山は丹沢山塊の南にある山で、神奈川県の山好きの人びとに愛されています。南に面した登山道は気持ちよく、ヤマザクラやミツバツツジ、ニシキウツギまた紅葉や新緑など季節ごとの山を味わえます。山頂も広く展望がよく、鍋割山荘には名物の鍋焼きうどんがあります。それにアプローチが楽な山で、登山口がある大倉には小田急線の渋沢駅から、寄(やどりき)には新松戸駅から多くのバスがでています。
ミツバツツジ | 鍋割山山頂 | 鍋割山荘の名物鍋焼きうどん |
アクセス | 小田急線渋沢駅からバスで大倉へ 小田急線新松戸駅からバスで寄へ |
コース | 「大倉」バス停 → 林道出合 → (西山林道)→ 二俣 → (小丸尾根)→ 小丸 → 鍋割山山頂 → 後沢乗越 → 栗ノ木洞 → くぬぎ山→ 「寄」バス停 |
親子 コースタイム |
7~8時間程度 |
交通 | ●電車・バス利用 ・小田急線渋沢駅からバス(神奈川中央交通)で大倉。約15分 ・寄バス停から小田急線新松田駅までバス(富士急湘南バス)。約25分 ●マイカー利用 大倉バス停、寄バス停に駐車場あり。 |
-
かつてはススキの名所
鍋割山の山頂一帯はかって「三の萱(さんのかや)」と呼ばれていました。寄(やどろぎ)村(現在は松田町寄地区)の人びとがカヤを採取するところ(萱場)で、下に「一の萱」、「二の萱」があって、頂上が「三の萱」でした。萱は茅葺き屋根に使うもので、萱としてはススキを利用していました(20年ほど前まではススキの名所でした)。なお、茅または萱というのは、屋根を葺くのに使う草のことで、地域によって異なる植物が使われています。多くは、ススキ、チガヤ、カリヤス、シマガヤ、スゲ、葦(よし)、ワラなどでした。
丸がついた山はパワースポット?
丹沢の山は、鍋割山などのように末尾に「山」がついたもの以外に、檜洞丸、畦ヶ丸、榛ノ木丸、シャガクチ丸など「丸」がついた山名が目立ちます。山の名称を研究していた谷有二さんによると、丸は朝鮮語で「高み」や山をあらわす名詞で、また古代朝鮮で天空を意味し、神や祖霊が天界と地上を往復する中継の場所を意味したということです(『日本山岳伝承の謎』(未来社))。
-
登山口のある大倉には、県立秦野戸川公園があり、水無川には「風の吊り橋」がかけられています。この公園のランドマークになっていますが、その特徴は?
-
「風の吊り橋」は水無川にかけられた長さ267m、高さ35mの美しい橋です。クリスマス前などにはライトアップされ美しく輝きます。またパークセンター前ではクリスマスイルミネーションが点灯します。
寄から鍋割山頂までの登山道では「後沢乗越(うしろざわのっこし)」を通ります。さて、この「乗越」とは何でしょうか?
-
山頂と山頂を結ぶ道が最も低い場所です。馬の頭と尻の間(つまり背中)が低くなっているのに似ていることから鞍部(あんぶ)とも言います。里に住む人びとが、連なった山を越えるには最も低いところにあるため越えやすく、そこ乗り越していくことから乗越と言います。峠も同じ場所を指します。
鍋割山情報 |
秦野市観光協会-表丹沢登山ガイド:鍋割山への道
|
お問合わせ |
日本山岳会 東京多摩支部 |
登山計画書を書いて出かけよう! 登山計画書PDF