みょうけんさん

妙見山は標高660mの山で、山頂に妙見宮があり、参拝者が絶えません。頂上付近に天然記念物のブナが自生しています。また、台場クヌギと呼ばれる特異な形のクヌギの木がたくさん生えていて、夏にその樹液を求めて国蝶のオオムラサキやオオクワガタがやって来ます。登山道の多くは昔の参拝道で、灯篭、茶店跡が残っています。ケーブルやリフトのあるコースを選べば小さな子供でも楽に登ることができます。今回は能勢電鉄妙見口駅から歴史を感じさせる上杉尾根を登って新滝道を下るコースを紹介します。

   
妙見口駅
駅前には食堂、トイレ、観光案内所、駐車場があります
  花折街道
妙見口駅前から案山子が並ぶ花折街道を行き、信号のある国道を渡ると上杉尾根道の登山口です
  八町茶屋跡
八町茶屋跡は林の中にあります。この少し先に展望の良いベンチの休憩所があります
   
台場クヌギ林
炭焼のために何度も切られて特異な形の木になりました
  参道入り口
周りに土産物屋、トイレ、バス停、大きな駐車場があります
  頂上手前の案内板
参道にある三角点への案内板
5分も歩けば頂上です
   
妙見宮山門
山門の入口側は兵庫県、本殿のある門の向こう側は大阪府です
  滑りやすい石段
参道入口から新滝道に石段を下る
滑りやすいので注意しよう
  クルミの実
新滝道ではクルミの木やアケビをよく見かけます
     
雄滝行場の鳥居
新滝道の雄滝(おんたき)行場は滝に打たれて行をする所です
  ケーブルの黒川駅
トイレ、駐車場があります
   

花折街道にならぶ案山子が多彩でおもしろい。夏にはクヌギの林でオオムラサキ(国蝶)やオオクワガタを見ることができるかもしれません。ケーブルで登ると中腹の妙見の森に子供向け遊具があるので、小さい子がいればそちらのコースもよいでしょう。

登りで張り切りすぎると後で疲れるので、ちゃんと休憩しながら登ろう。
三角点へは参道にある「三角点」という案内板に従って右に分岐する道に入る。
新滝道は滑りやすい所もあるので、慎重に下ろう。
アクセス 阪急宝塚線川西能勢口で能勢電鉄に乗り換え終点の妙見口駅下車。
車の時は国道477号より妙見口駅前へ入り駅前駐車場(有料)。黒川駅前にも駐車場(有料)あり。
コース 妙見口駅 → 上杉尾根登山口 → 八町茶屋跡 → 頂上駐車場 → 妙見宮参道 → 三角点往復 → 妙見宮往復 → リフト駅分岐 → 新滝道分岐 → 雄滝行場 → 黒川ケーブル駅 → 上杉尾根登山口 → 妙見口駅
親子
コースタイム
妙見口駅より上杉尾根を登って三角点まで2時間、三角点から妙見宮を参拝して参道入口に戻るのに30分。参道入口から新滝道を下山し、黒川駅前を経て妙見口駅まで1時間30分。

人間が作った異様な形の「台場クヌギ」

そのむかし、炭焼きのためにクヌギが植林されました。クヌギは何度も切られて太い幹から細い幹が数本伸びる奇妙な形になり、台場クヌギと呼ばれるようになりました。夏には国蝶のオオムラサキやオオクワガタが樹液を求めて集まります。

貴重な妙見山のブナ林

妙見山頂上には数百本のブナが自生していて標高600m付近での南限です。能勢妙見山の境内で伐採が禁じられたために残ったということです。大阪府指定の天然記念物ですが、兵庫県側でも発見され、兵庫県のレッドリストに追加されました。大阪府のブナ林は他に大和葛城山、金剛山、和泉葛城山にもあります。

妙見山の妙見とは妙見菩薩からきています。妙見菩薩は何を神格化した菩薩でしょうか?

1. 太陽

2. 北斗七星

3. 北極星

「妙見」とは「優れた視力」の意味で、善悪や真理をよく見通すということです。妙見菩薩は北極星を神格化したもので、インドに発祥した菩薩信仰と中国の道教の北極星信仰とが合わさって、日本に伝来したものだと考えられています。

妙見山への参拝者のために敷かれた能勢電鉄は、かつて川西能勢口駅から国鉄川西池田駅前までの路線がありました。何を運んでいたでしょう。

1. 仁丹

2. 三ツ矢サイダー

1917年(大正6年)から1981年(昭和56年)まで路線がありました。三ツ矢サイダーなど貨物輸送を中心に運行されていました。三ツ矢サイダーは、兵庫県多田村平野(現在の川西市平野3-23-1)の平野鉱泉を用いて「三ツ矢平野水」として販売されていたものです。

3. 明治キャラメル

妙見山情報

能勢妙見山
妙見山へ行こう
豊能町観光協会

 

お問合わせ

日本山岳会 関西支部  山行委員 茂木完治(もてぎかんじ)

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