いよがたけ
伊予ケ岳(336.6m)は房総の山では珍しく鋭い岩峰をもっているので、その姿から「房総のマッターホルン」とか「千葉の妙義山」「安房の槍ケ岳」などの別名もあります。「日本中の天狗が山頂に集まり会議を開いた」という天狗伝説のある山です。国土地理院の地図をみても千葉県で山名に「岳」の付いた山はここだけです。ロープを頼りに鎖で囲まれた荒々しい南峰(336m)の山頂に立つと、美しい双耳峰の富山(349m)が東京湾を背景にひときわ印象的に望めます。また東南には伊予ケ岳、富山と並んで安房三名山の御殿山(364m)、千葉の最高峰・愛宕山(408.8m)も見渡すことができます。「安房」は南房総地方の呼び名。「伊予」も愛媛県の古い呼び名で、黒潮文化の影響を感じさせる山です。
ふもとから見た伊予ヶ岳 | 鎖場 | 伊予ヶ岳中腹の展望台 | ||
伊予ヶ岳から見た富山 | 伊予ヶ岳天神神社の登山口 | 樹林の中の登山道 |
途中に休憩用の東屋があります。ここから鎖、ロープを張った岩場になります。慎重に登りましょう。 | |
歩き足りない人は、伊予ケ岳と富山を組み合わせた計画を立てたらいかがでしょうか。1回の山行で安房の名山2つを楽しめます。 |
アクセス | JR内房線岩井駅。巡回バスもありますがマイカー利用が便利。 |
コース | 平群天神社 → 東屋 → 山頂 → 東屋 → 平群天神社。 |
親子 コースタイム |
登山口の天神郷から山頂直下の東屋まではゆっくり歩いて1時間。ここから慎重に岩場を登り20分で山頂。下りは同じ道を引き返します。 |
交通 | ●電車利用 春の行楽シーズン、電車内や岩井駅は混雑します。 ●車利用 登山口の平群天神社に10台程度の駐車スペースがありますが、登山シーズンは混雑するので要注意です。 |
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山の名
「伊予」とは愛媛県の古い呼び名です。そんな地名がどうして千葉の山名になったのでしょうか。「むかし、伊予の国からミカンを積んだ船が江戸湾に入ってくるときの目印になった山で、愛媛県の石鎚山に姿が似ているから」との説があります。
平群天神社
南北朝時代に京都北野天満宮を勧進したものといわれ、菅原道真公を祀っています。県指定文化財の「平群天神縁起絵巻」が保管されています。
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コースにある平群天神社(へぐりてんじんじゃ)には、菅原道真の生涯を描いた「平群(平久里)天神縁起絵巻」が保存されています。さて、この菅原道真は、歌舞伎では何という名前になっているでしょうか?
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『菅原伝授手習鑑(すがわらでんじゅてならいかがみ)』という人形浄瑠璃および歌舞伎は、菅原道真が大宰府に左遷させられた事件を中心に描いています。そこでの菅原道真は、菅丞相という名で登場します。源九郎判官義経は『義経千本桜(よしつねせんぼんざくら)』の源義経、大星由良助義金『仮名手本忠臣蔵(かなでほんちゅうしんぐら)』の大石内蔵助のことです。
伊予ケ岳情報 |
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