たきやまきゅうりょう

多摩川の南につらなる標高160mほどの滝山丘陵(加住丘陵)には古くからの尾根道があり、雑木林など人の暮らしに近い里山の雰囲気が感じられます。
先へ進むと、丘陵地や川にけずられた地形を巧みに利用して築かれた戦国時代の山城、滝山城が現れます。堀切や土塁、本丸跡などの城跡が今でものこり探検することができます。また眼下に北側からの展望が楽しめます。橋の下の急坂を下っていくと、一転して川の流れで多くの土砂が運ばれた河川敷に東京一の面積といわれる田園地帯が広がり野鳥などが見られます。
ハイキングコース入口から東秋留駅まで7.5kmが「かたらいの路 滝山コース」として整備されています。

   
ハイキングコース入口
宇津木台バス停先の右の道標にしたがって進み、信号を渡っていくと国道に出る。
横断して左に少し行くと「滝山城跡入口」ハイキングコース入口がある。次の道標で古峯ヶ原(こぶがはら)園地の方向へ階段を登る
  雑木林
尾根道は雑木林と植林地を通る。かつては薪や炭、建材に利用されていた。最高地点の古峯ヶ原園地は20分ほど歩いた左手の小高いところ
  空堀あと
この先は都立滝山公園として整備されている。木橋を渡ると滝山城のエリアで左の池跡には桜が植えられ、滝山の五千本桜で知られる桜の名所として親しまれている
   
本丸跡
今は広場になっている場所に滝山城跡をあらわす石碑や霞神社がある
  古い井戸
本丸跡には籠城したときに必要な水を確保するための井戸が掘られていた
  滝山城からの眺め
霞神社奥や中の丸北側は絶壁になっていて、多摩川と秋川の合流点付近や対岸の昭島市の町並み、奥多摩の山並みなどが挑められる
   
引橋
中の丸から本丸へ渡るこの橋は、敵が侵入して来た時には壊して攻め込まれないようにつくられていた。今の橋は復元されたもの
  武将のレリーフ
滝山城から下りてきたところにある汚水ますの蓋には北条氏照らしき人物の絵柄がつけられていた
  河川敷の田園から見た滝山丘陵
多摩川と秋川の流れによって作られた地形がよく分かる。
丘陵の右端には大石氏が滝山城の前に築いて住んでいた高月城跡がある
宇津木バス停からハイキングコース入口までの間信号を2箇所横断します。交通量の多い国道もあるので、車に注意しよう。
滝山城跡は国の史跡にも指定されている大切な文化財です。コース以外勝手に立ち入らないようにしましょう。
城の北側は急な崖になっています。下をのぞき込んだり端に行き過ぎたりしないようにしましょう。
親子
コースタイム
ハイキングコース入口 →(30分)古峯ヶ原園地 →(20分)滝山城址 →(60分)東秋川橋 →(30分)東秋留駅(滝山城址の見学時間は含まれません。)
交通 [行き]
JR日野駅 →(25分)バス宇津木台行き、終点宇津木台下車 → 徒歩(10分)ハイキングコース入口

※JR八高線 小宮駅 → 宇津木台 → 徒歩(30分)ハイキングコース入口
※滝山城址へ直接行く場合

京王八王子またはJR八王子駅 → バス戸吹行き、滝山城址下下車 → 徒歩(5分)滝山城跡、手前の滝山2丁目バス停で下車し、ハイキングコースの尾根道に出ることもできる。

※ハイキングコース入口近くに西武滝山台バス停があるが、(拝島~八王子)本数がない。

[帰り]
JR五日市線 東秋留駅
 
※途中、秋川橋バス停で拝島駅(~福生駅)のバスが一時間に一本あるので、逆コースに使うこともできる。

滝山城

滝山城は1521年(大永元年)、関東管領上杉氏の重臣で武蔵国守護代であった大石定重が築城した。上杉氏が小田原北条氏に敗れると、北条氏康の子氏照が婿養子として入り城主となり城を拡充した。当時滝山城は東西0.9km、南北1kmの縄張りをもつ、関東随一の城、日本有数の城であった。1569年、拝島に陣を構えた武田軍が川を渡り三の丸まで攻め込んだが、激戦の末退けた。その後、武田氏の滅亡によって豊臣氏へのより強い備えが必要になり (天正12年頃~)八王子城を築城して移る。滝山城跡では公園主催のガイドツアーが実施されている。

戦国時代の城

戦国時代の城はまだ立派な天守閣や高い石垣はないが、山や丘陵などの地形を利用して土塁や空堀、曲輪、馬出し、池、段々状や斜面を切り落とした地形などを人工的につくり、高い場所に見張やぐらを立てて四方から敵を防ぐ工夫をした城砦(じょうさい)だった。
※土塁…人工的に土を盛り上げて作った塀
※空堀…人工的に溝を掘って簡単に敵が攻め込めないようにした場所
※曲輪(くるわ)…土壁や堀で区切った本丸、中の丸などと呼ばれる平らな場所

滝山丘陵は八王子市の北部、昭島市とほど近い、多摩川のほとりにあります。さてこの八王子市の名前はどこから付けられたのでしょうか? 以下の中で間違っているのは?

1. 八王子神社

2. 八王子権現

3. 八王子山

913年(延喜13年)に学僧・妙行が、八王子市の深沢山(現在の城山)に八王子権現を祀り、八王子神社を建立。地域の信仰を集め、このあたりは八王子と呼ばれていました。1584年(天正12年)ごろ、北条氏照は八王子権現を祀って八王子城をつくりました。市の名前はここからきています。

「道の駅」は全国に1000か所以上つくられています。滝山丘陵の近くにも「道の駅八王子滝山」があります。さて、この「道の駅八王子滝山」の特徴は、次のうちどれでしょう。

1. 東京都に唯一ある道の駅

2007年(平成19年)に、八王子市に東京都初の道の駅として「道の駅八王子滝山」が誕生し、それ以後東京都にはつくられていません。最初の道の駅は、1991年(平成3年)から翌年にかけて山口県、岐阜県、栃木県の計12か所につくられました。

2. 日本で最初にできた道の駅

3. 関東でもっとも広い道の駅

滝山丘陵情報

都立滝山公園 小宮公園サービスセンター Tel. 042-623-1615
東京都多摩環境事務所 管理課自然公園係 Tel. 042-521-2947
八王子教育委員会 文化財課 Tel. 042-620-7265 
西東京バス Tel. 042-646-9041

 

お問合わせ

日本山岳会 東京多摩支部  Tel. 042-796-9386

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