みなみたかおさんりょう・くさどやま
年間300万人もの登山客・参拝客が訪れる高尾山は、南北に北高尾山稜、南高尾山稜として知られる広い山域を持っています。いずれも超人気の高尾山と違って、静かで変化に富む山歩きを楽しめます。草戸山(634m)は、南高尾山稜のコース上にあり、東京都町田市の最高峰です。関東ふれあいの道の東京都コースの始まりともなっています。混雑を避け、ぜひ歩いてみませんか。
京王高尾山口 文字通り高尾山の登山口です。 2015年春、世界的に有名な建築家で、20年東京オリンピック会場となる新国立競技場をデザインした隈研吾(くまけんご)さん がリューアルしました。都の指定天然記念物である高尾山の杉並木をイメージにして、駅全体を杉の板で大和張り、羽目板張りといった日本古来の手法で覆いました |
599ミュージアム 八王子市が建設、「山の日」制定を記念し2016年8月11日にオープンしました。高尾山の高さ599mにちなんで「599ミュージアム」と名付けられました。1階は16の展示台からなるメイン展示場。アクリル樹脂に封入された四季折々の美しい草花やまさに飛ぼうとするリアルな昆虫標本をはじめ、1年中いつでも高尾山の豊かな自然に触れられます。高尾山を再現した小さな山が子どもたちに人気がある |
高尾山インターチェンジ 高尾山口駅から、大きな車が頻繁に行き通う国道20号/甲州街道の歩道を歩くことになります。突然、高速道路インターチェンジに出合う。首都圏中央道の「高尾山インターチェンジ」です。2014年6月に供用開始されました。高尾山にトンネルを開通させて反対運動もあったのですが、首都圏郊外の都市を結ぶネットワークが完成しました |
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梅の木平 梅の木橋で、国道20号/甲州街道と分かれます。騒音ともお別れ、小さいながら田園風景が広がり、別天地にはいった気分に浸ることになるでしょう。梅の木平です。「関東ふれあいの道」の標識がはじまります。裏庭の斜面にカタクリの大群落のある民家があって春先に公開しています。カンパ必要。「峰の薬師北参道」の大きな石碑が立っています |
グリーンセンター 料亭/うかい竹亭、老人福祉施設/福寿園を過ぎると、なだらかな登山道となる。しばらく登ると、全国林業改良普及協会が運営している宿泊施設「高尾グリーンセンター」が現れる。施設の利用は日帰りも可能。原則として10名以上のグループになる。過ぎると大きくジグザグの登りとなり、三沢峠に着く |
三沢峠 ひと休みしよう。たくさんのテーブルとベンチが用意されており、登山者が思い思いに休憩している。峠は五差路になっています。関東ふれあいの道は右方面へ。中沢山、金毘羅山、大洞山を経由して大垂水峠を目指します。左は草戸山、また峰の薬師方面です。草戸山は、コース最高峰の榎窪山(420m)を経て下る |
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草戸山 東京・町田市の最高峰。364mの高さから「一年山」と呼ばれている。少し足りないが、許してあげよう。「一年中、毎日登りたい」という想いが込められているのかもしれない。展望台から神奈川方面がよく見渡せる。小さなお宮さんがある |
草戸峠 高尾山方面の展望がよい。薬王院がよく見える。ここまでは樹木が大きく育っていて、ほとんど見通しが効かなかったので、一休みしたくなる。薬王院は杉や檜の人口林に囲まれているが、よくみると、森林の色の違った個所がある |
四辻 草戸峠から少し下ると、大きく「高尾方面」と書かれた標識がある。左折する。標識は、よくみて歩こう。途中、大きなモミの木の下に「梅の木平」への分岐がある。まっすぐ「高尾山口」の方向へ。登ったり、下ったり。いくつかのピークを越えて下っていくことになる |
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登山口 「四辻」の分岐を左折すると、10分足らずで急に民家の横から舗装道路に飛び出し、登山道は終了する。標識「登山口」であるすぐ先に見える信号は「高尾山下」で、ケーブル駅から真っすぐに国道へ下った地点でもある。時期によりカジカの声を聞きながら高尾山口の駅前に出る。左折すると、国道20号の信号となる |
高尾山口駅前から大垂水への路線バスがあり、梅の木平まで利用することができますが、山歩きに利用できるのは10時台1本しかなく、出発が遅すぎます。タクシーを利用するか、歩くことになります。 | |
梅の木平まで国道20号/甲州街道を30分弱歩きます。大型車が頻繁に走っています。歩道がよく整備されていて、問題はありませんが、車道に飛び出さないよう十分に気をつけましょう。 | |
榎窪山からの下りは、アップダウンを繰り返しながらの下りとなります。コース沿いに階段が造られています。脇道は岩石が露出していて、滑りやすいので、階段をゆっくり歩きましょう。とくに下山時には注意が必要。 |
コースタイム | 高尾山口駅 →(30)→ 梅の木平 →(35)→ 高尾グリーンセンター →(15)→ →三沢峠 →(5)→ 榎窪山 →(25)→ 草戸山 →(10)→ 草戸峠 →(50)→ 四辻 →(10)→ 登山道入口 →(5)→ 高尾山口駅 |
交通 | ●電車利用 [中央線・京王電鉄] JR中央線高尾 →(京王電鉄に乗り換え)→ 京王電鉄高尾山口。京王電鉄だと新宿から50分弱 ●車利用 [駐車場] 京王高尾山口駅周辺に薬王院祈祷殿駐車場(収容250台)、八王子市営山麓駐車場(80台)、京王高架下駐車場(76台)などがありますが、できるだけ電車を利用しましよう。 |
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関東ふれあいのみち
関東ふれあいの道(首都圏自然歩道)は、一都六県(東京、埼玉、群馬、栃木、茨城、千葉、神奈川)をぐるりと一周する長距離自然歩道。160のコースがあり、総延長は1799km。東京・八王子の梅の木平を起終点に高尾山、奥多摩、秩父、妙義山、太平山、筑波山、霞ヶ浦、九十九里浜、房総、三浦半島、丹沢などを結んでいます。定められた撮影ポイントでその写真を撮り必要事項を書いて、東京都は環境局自然環境部まで送ると認定証と記念バッチをくれます。
津久井湖・城山湖
神奈川県と横浜、川崎、横須賀市の共同施設。1965(昭和40)年に完成した。人口増に対応して飲料水・工業水を供給しているが、県企業庁の揚水発電所としても利用されている。電力需要の少ない夜間に、余剰発電を使用して下池の津久井湖から城山湖水をくみ上げておき、電力を必要とする昼間に津久井湖に放流して発電している。ダムは昼夜の水位変動が激しい。
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高尾山には1600種を超える種類の植物が生育しているといわれます。ごく狭い地域に、イギリス全土に匹敵するほどの数の植物が生育しているそうです。それは、次のためでしたが、1か所間違いがあります。
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確かに、植林によって豊かな森がつくられ、スギやヒノキの大木が高尾山また高尾山周辺を覆っています。しかし、豊富な植相はそれ以前から形成されていて、またしっかりと守られているのです。①が間違った答えです。
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2. 長い日本列島には南と北に、温帯気候を好む植物と寒冷気候で好む植物が生育しています。高尾山は、2つの気候帯の境目に位置し、双方の植物が混ざり合っているからです。
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3. 山上にある高尾山薬王院は古来、多くの人たちの信仰を集めてきました。武将の信仰も厚く北条や徳川の保護のもと、寺院周辺の樹の伐採を禁止してきました。
南高尾山稜情報 |
八王子市 Tel. 042-626-3111
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お問合わせ |
日本山岳会 東京多摩支部 |
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