池・沼にあらわれる

大蛇(だいじゃ)

タイプ/ 悪い・良い
エリア/ 全国
カタチ/ 大きな蛇
攻 撃/ 雨乞いをすると、雨をふらせてくれる
特 性/ 全国に棲んでいて、人を襲ったり、田畑を荒らしたりする大蛇もいるが、水の恵みをもたらすよい大蛇もいる。岐阜県と福井県にまたがる夜叉ヶ池には大蛇の水神がいた。日照り続きに苦しんでいた村の小作人が「雨を降らせてくれるなら、大切な娘をさしあげます」とお願いしたところ、翌日には雨が降って田に水が入り、作物はふたたび活力をとりもどした。約束通り、大蛇は娘を伴って夜叉ヶ池に戻っていった。娘は夜叉ヶ池の夜叉姫となって村を守り、干ばつの年には雨を降らせたそうだ。

沼御前(ぬまごぜん)

タイプ/ 悪い
エリア/ 福島県
カタチ/ 大蛇、20歳くらいの女
攻 撃/ 美女に化けて人をまどわす
特 性/ 福島県沼沢湖の主と伝えられている大蛇。美女に化けることができ、人を襲ったりまどわせたりする。あるとき猟師が沼沢湖へ出かけると、若い女が腰から上を沼から出して、お歯黒をつけていた。妖怪に違いないと思った猟師は、女の胸を鉄砲で撃った。すると黒雲が立ち込め水底が雷電のように鳴り、水煙が空をつくほど湖面がざわついた。一目散に逃げ帰った猟師にはたたりもなく無事だったという。