川にあらわれる

蟹坊主(かにぼうず)

タイプ/ 悪い
エリア/ 山梨県、石川県、富山県、岩手県
カタチ/ 大きな蟹の姿をしている
攻 撃/ 人を取って食う
特 性/ 大きな蟹の化け物。山梨県には新しい僧がやってきてもすぐにいなくなってしまうという、山中の無人の寺があった。あるとき旅僧が泊まると、夜中に怪僧があらわれて、「両足八足、横行自在、両眼天に指すはいかに?」と、問答を仕掛けてくる。旅僧が「蟹の化け物だ」と見破ると、怪僧はスッと消えた。寺にある池の水を抜くと、大蟹の姿をした蟹坊主とたくさんの人骨があらわれ、旅憎は蟹坊主を退治したという。

河童(かっぱ)

タイプ/ 悪い
エリア/ 全国
カタチ/ 全身緑か赤で頭に皿があり、口にくちばし、手には水かきがある
攻 撃/ 川に人や馬を引き込み、肝や尻子玉を抜く
特 性/ 川や沼に棲み、近くを通りかかる人や馬を水中に引き込むおそろしいいたずら者。相撲が大好きで人間に勝負を挑んでくる。負けると尻子玉を抜かれて腑抜けにされてしまう。頭の皿の水が干上がると弱くなるらしい。大好物はキュウリと尻子玉。

小豆洗い(あずきあらい)

タイプ/ ふつう
エリア/ 全国
カタチ/ 背が低く目の大きなおじいさん
攻 撃/ 小豆を洗いながら人をおどかす、人をさらう
特 性/ 「小豆洗おか、人とって食おか」などと歌いながら、シャカシャカと川で小豆を洗い人をまどわす。その音に誘われて川に落ちてしまう人もいるから注意しよう。「小豆さらさら」「小豆とぎ」「小豆ごしゃごしゃ」など、場所によって名前も違う。小豆ではなく米を洗う仲間もいる。

岩魚坊主(いわなぼうず)

タイプ/ ふつう
エリア/ 岐阜県、福島県、東京都
カタチ/ お坊さんの格好をした大きな岩魚
攻 撃/ しない
特 性/ ある男が渓流に毒を流して大量の岩魚を獲っていたら、見知らぬお坊さんがやってきて「殺生はやめなさい」という。まだまだ岩魚を獲りたい男は、持っていたにぎり飯を渡してうまくお坊さんを帰し、漁を続けた。すると、見たこともないような大岩魚が川に浮かび上がった。これは大物、とよろこんで腹を割いてみたら、たくさんの米粒が詰まっていた。さっきのお坊さんは岩魚の精だったのだ。