子どもは体が未発達です。筋力、体温調節機能や骨密度も低いのです。子どもの体の弱さを把握し、無理のない山行をしましょう。
下山が不得意
足の筋力が未発達のため、下山が不得意でつまずきやスリップが多くなります。下りではスピードを抑えて歩かせます。
エネルギーがもたない
元気にしていても、突然エネルギーが切れることがあります。予防を兼ねて30分に1回は休息をとり、食べたり飲んだりさせ、休みながら登山をしましょう。
強風・冷風に弱い
山の強風・冷風は、下界とはレベルが違います。子どもにはとくに春の強風と夏の雷、風雨による濡れと体感温度に注意しましょう。
熱中症
子どもは体温調節機能が未発達で、熱中症にかかりやすい身体です。シグナルは肌が赤くなること。直射日光を浴びていなくても、蒸し暑いだけで熱中症にかかることがあります。予防のために、山では体液よりやや薄いハイポトニック飲料を飲ませましょう。大量飲みはオシッコで出てしまうので、少量をこまめに取ります。喉が渇いていなくても、口にしておくことが大切です。そしてブドウ糖や果糖などのお菓子、さらに塩やクエン酸(梅干)などを摂ることで予防につなげます。ときどき、わきの下や首などを、濡れタオルで冷やしてもいいでしょう。
日焼けに弱い
紫外線は標高が高くなるごとに強まります。子どもは肌が弱いので、必ず日焼け止めクリームを塗りましょう。耳や首にも忘れずに。首元をカバーするリアバイザー付きの帽子着用が効果大です。
靴擦れ防止対策を
意外と多いのが靴擦れです。楽しい山行も足が痛くなるとたちまち不快に。出かける前にきちんと靴下を履かせ、靴とのフィット感を高めておきましょう。
ベビーキャリア
ベビーキャリアに載せた子どもは動かないので体温が下がります。冷えに注意すること。
岩場は手足を使って
岩場の上り下りは、手足(3点支持)を使うことを教えましょう。クサリやロープが出てきても、腕力がないので全体重を預けないように注意します。岩場のある山に行く場合は、補助ロープを持参しましょう。
睡眠時の低酸素に注意
個人差はありますが、5歳までの幼児が泊まりがけの山行をする場合、睡眠高度は2,500m以下が望ましいようです。脳の発育に影響をおよぼす低酸素状況には注意しましょう。