山で遭う危険な生き物

動物

●クマ
人が近づくと音や嗅覚で逃げるのが普通です。突然鉢合わせた時は、逃げたりせず、驚かせずに目を見ながら距離をとります。撃退スプレーは自分にかかることを承知なら有効です。いずれにしてもクマの方から遠慮させるように、熊鈴やラジオなどで常に音を出しながら歩くこと。また食べ物やゴミの臭いに誘われるので、肉類などは完全なパッキング処理をしましょう。子連れのクマ、北海道のヒグマには特に注意です。

●毒ヘビ(マムシ、ヤマカカシ)
マムシはただ歩いていて噛まれた例は今までにありません。致死の毒の場合もあるので、噛まれたら血清のある保健所等へ急ぐことです。

 

植物

●ウルシ類
肌に葉などが触っただけで、かぶれます。ウルシオールという成分によるアレルギー反応です。かぶれる程度は人それぞれですが、掻いたり刺激することで徐々に蔓延し広がります。触らないようにしましょう。

 

●ドクウツギ
高さ1.5mほどの低木で、夏に赤い球形の果実がなります。その果実に猛毒があります。死に至ることもあるので、誤って口にしないようにしましょう。

 

●ドクゼリ
食用のセリより一回りも大きい。新芽の頃、食用セリと間違えやすく摘んでしまうことがあります。毒草なので誤食しないようにしましょう。

その他の生き物

●スズメバチ
毎年、数十人の死亡者があります。日本にはオオスズメ、キイロ、クロ(ジバチ)など7種類がいます。オオスズメバチは働きバチで3~4cmほど。ハチが体に止まっていてもジッと動かないのが刺されないコツです。もし刺されたら水で患部を洗って冷し、抗ヒスタミン剤含有ステロイド軟膏を塗ります。死に至ることもあるので、ショック症状が起きたらすぐ病院へ行くことです。なお、ハチは臭いに敏感です。香水、ヘアトニックはつけない方が無難です。黒い服は標的になりやすいので、白い帽子に白いシャツが比較的安心です。営巣期の9~10月が攻撃的で危険だと覚えておきましょう。

●ヤマビル
爪楊枝の1/3ほどの大きさで、尺取虫のように忍び寄って吸血します。血を吸ったヤマビルは親指大にまで丸々と膨れます。スパッツだけでは防御できないので、市販のヒル撃退スプレーなどで予防しておくと安心です。

 

●マダニ
草むらや藪、森林などのダニ生息場所に立ち入ると、ダニに咬まれることがあります。ダニがウイルスや細菌などを保有している場合、咬まれた人が日本紅斑熱やつつが虫病、重症熱性血小板減少症候群(SFTS)などを発病します。
このような場所で長時間地面に直接寝転んだり、座ったりするのは止めましょう。長袖、長ズボン、手袋、長靴を着用しましょう。ダニをよせつけないためには、虫除けスプレーの使用も有効です。
咬まれても、無理に引き抜こうとすると、マダニの一部が皮膚内に残ったり、ダニの体内や傷ついた皮膚から出る液体に病原体がいる可能性があるので、できる限り、直接手でダニを取ったり、つぶしたりしないようにしましょう。吸血中のマダニに気がついた際は、できるだけ病院で処置してもらいましょう。
また、マダニに咬まれた後に、発熱などの症状が認められた場合は、早めに医療機関を受診してください。

 

●ツツガムシ
ツツガムシ病の病原体を運ぶのは、ハタネズミ等の耳に寄生するアカツツガムシの幼虫です。0.2mmほどの大きさで、人のリンパ液を吸います。痛くも痒くもないので見つけづらいのですが、噛まれた後が隆起し潰瘍状なります。潜伏1~2週間で、発病すると高熱と発疹が出て、最悪は死に至ることがあります。防ぐには皮膚を露出しないことに尽きます。