トゲソ観察巡検報告
1 実施日:2012年4月14日(土)~15日(日)
2 トゲソ観察地:新潟県五泉市土堀水路(坂田家に近接)
3 参加者(あいうえお順):小川、菊池、坂田(現地参加) 計3名
4 現地案内人:NPO五泉トゲソの会 理事長 高橋荘三氏
同 事務局長 中村吉則氏
5 行動記録:
4月14日(土):雨のち曇り
8:15 新宿発チャーターバスにて五泉市坂田家へ向かう。
(バスには五泉市坂田家見学の観光ツアー客約20名が同乗する)
14:00 坂田家着。
18;30 絶滅危惧種「トゲソ」の学習会。講師は中村吉則氏。
20:00 馬下(まおろし)保養センターに移動。宿泊。
4月15日(日):晴れ
9:30~11:00 土堀水路にて中村氏の指導により、トゲソ観察とコカナダモ(外来種の藻で
トゲソの生育を邪魔している)の除去作業をする。
トゲソ観察と外来種コカナダモの除去作業する菊池さんと中村氏 |
20:00 新宿着解散。
◎ 今回何故トゲソ巡検に参加したのか:
やま学研では過去数回のトゲソ巡検を実施してきたが、未参加の小生にとって絶滅 危惧種トゲソ(標準和名イバラトミヨ。トゲウオ科淡水魚)って何? を実物を見て理解する為に初参加した。付随的な参加理由は、トゲソの里・坂田会員の実家(国指定登録有形文化財)も拝見してみたかったし、広大な庭には葉ワサビなどの山菜が咲き乱れ、その山菜料理が美味しいとの前評判にも、一度は参加せねばと考えた次第。
◎ 何故今トゲソが大切なのか:
トゲソは湧水の冷たい水に棲み、水草で巣を造り、オスが子育てをする珍しい習性を持っている。昔は何処にでもいた魚だが、水が汚れると共に姿を消してしまった。「現在、五泉市のトゲソの生息地は8ケ所しか確認されていない。その数も少ない。
私たちの子供達に美しい五泉の環境を残すことが出来るのか、それはトゲソを通して考えていくことが出来る。トゲソは小さな魚だが、私たちに必死に環境保全を訴えている」(NPO五泉トゲソの会ホームページ)。即ち「トゲソは環境の見張り番」と言う訳だ。
6 トゲソに関する現地情報:
五泉トゲソの会中村事務局長の説明によると、
1)土堀水路に於ける生息数激減傾向:339匹/2007年、1,598/2008年、
190/2009年、14/2010年、17/2011年
◎今回、トゲソは1匹も目視確認出来なかった。もしかして既に絶滅したのかも知
れないと懸念した。思い過ごしであって欲しい。
2)激減の要因:①水田水路のコンクリート化、化学洗剤排水など生活排水の流入。
②猛暑と大型台風など自然災害要因。
③コカナダモがナガレミクリ(トゲソ雄が子育てする藻)を駆逐。
④湧水や清流が近年急速に少なくなった。などの複合要因。
3)パネルディスカッション「トゲソの危機にどう対処するか!」の開催:
4月29日(日)、坂田家にて開催される。現場を見た専門家の意見や参加者の意見も交えて討論される予定。
(記録 小川)
以上