山の天気を知ろう

天気予報で晴れだと言っていたのに、雨? 山ではこんなことはよくあります。山は平地と比べ雨が降りやすいのです。でも、ちょっとぐらいの雨だったらだいじょうぶ。雨具をつければ問題ありません。山で怖いのは、強風や豪雨、雷、濃霧、降雪です。事故につながり、命を失うかも知れません。山の天気を知ることは、急変するその天気から身を守るためです。

 

●日本の天気予報は世界一むずかしい?

日本列島のほとんどは温暖湿潤気候です。春夏秋冬という四季があり、夏は高温多雨、冬は寒く乾燥するという特徴を持っています。夏は南東から季節風が吹くため太平洋側で雨が多く、冬は北西から季節風が吹くため日本海側で雪が多く降りやすくなります。また6月から7月にかけて雨が降り続く梅雨があったり、夏には強風や豪雨をもたらす台風が通るなど、年間を通してつねに天気は変化しています。
北海道や東北内陸部などは亜寒帯気候で、梅雨がありません。また、南西諸島などは亜熱帯気候に属し1年中高い気温を保ちます。
こうしたことに加え、日本列島は南北に長く、季節風や海流などの影響を受けるため、また山地が多いため、地域地域によって天気が異なります。さらに近年では温暖化やヒートアイランド現象などもあり、日本での天気の予報はより複雑になっています。

●平地と山の天気は違う

気象庁や民間気象会社が、テレビやネットで発表する天気予報は、平地を対象とした標高が低いところの天気予報です(標高2000mぐらいまで)。
平地と違って、山の天気は変わりやすく、雨になることが多くなります。また平地に比べて温度が低く、風も強く吹きます。
100m標高が上がるたびに、温度は約0.6℃ずつ低くなっていきます。平地が25℃なら、3000mの山では7℃です。平地が春でも、山はまだ冬です。
それに加えて、風があります。風速1mで、体感温度は約1℃下がります(日照や気温などで違います)。つまり、平地が25℃でも、3000mの高山で風速10mに吹かれると、体感温度は−3℃の計算になります。このとき雨に濡れると低体温症になりかねません。
天気図や観天望気などを活用し、危険を防ぎましょう。