こども登山教室(日本山岳会宮崎支部)
〜こどもと支部会員で楽しい山登り〜
・開催日 平成25年8月3日(土)~4日(日)
・対 象 小学・中学・高校生
[目的地]
飯田高原(大分県九重町)
・八丁原地熱発電所
・長者原ビジターセンター
・タデ原湿原
・久住山(1787m)
[主催]
日本山岳会 宮崎支部
[主旨]
・登山による自然体験を通して、人と自然の関わりを学び、自然を愛する心を育む
・登山の団体活動を通して、心身を鍛え、自主性、創造性、協調性、社会性を育む
[開催日]
平成25年8月3日(土)~4日(日)
[対象・参加者]
上新田・富田・新田学園・広瀬・大王谷・清武小学校、富田中学校・ルピナス支援学校、鵬翔高校(24名)
[スタッフ]
日本山岳会宮崎支部会員及び会友(18名)
[当日の天気]
1日目 晴れ
2日目 雨
[日程]
8月3日(土)
6:30 子ども、会員18名が大型バスで出発
7:00 新富町で子ども、会員22名が乗車
緊急用連絡車1台(2名)計42名で出発
11:20 大分県波野村「産母山牧場」昼食
13:00 大分県九重町「八丁原地熱発電所」見学
14:30 長者原ビジターセンター見学及びタデ原湿原の植物自然観察
16:00 「九重青少年の家」入所式・入浴
17:30 夕食
19:00 創作活動(バードコール制作)
22:00 就寝
8月4日(日)
6:30 起床、朝の集い、体操、記念写真
登山の行程、注意事項等
7:30 朝食、清掃、出発準備
8:30 部屋の点検、退所式
9:00 久住山 牧ノ戸登山口着
9:30 牧ノ戸登山口発(天候雨)
10:00 稜線において、雨風が強くなる
安全を期するため下山
10:30 「九州自然歩道」森の自然観察に変更
12:20 長者原ビジターセンター(昼食)
14:30 ホームランド買い物
17:00 北方町「よっちみろや」トイレ休憩
19:10 新富町JA駐車場着、閉会式
20:00 宮崎市ツルヤ着、解散
[交通]
・大型バス 1台
・自家用車 1台(緊急用連絡車)
記録
宮崎支部では毎年、小・中・高校生を対象に登山をはじめとするさまざまな体験活動を通して、人間と自然との共存を認識させ、自主性、協調性、忍耐力を体験するこども登山教室を実施している。今年の参加者は42名(子ども24名、宮崎支部サポーター18名)であった。
● 1日目 8月3日(土) 天候晴れ。
6:30分、宮崎市を大型バスで出発。途中、新富町で待ち合せの子ども達を同乗させて、11:20分、大分県「産母山牧場」の木陰で弁当を広げ昼食。
13:10分、飯田高原に所在する日本国内で最大の八丁原地熱発電所に到着。地下3000メートルから取り出された蒸気で、11万キロワットの電気を発電することができる発電所内を見学する。地熱という自然の力を利用したクリーンな発電方法を学んだ。
この後、14:20分、長者原ビジターセンターで、くじゆう高原に植生する植物などの写真展示等を見学後、タデ原湿原約40ヘクタール内の自然研究路(木道)を散策しながら、石井会員の説明で植物観察をして、湿原に咲いている色とりどりの花に心を安らげられた。
15:50分、宿泊施設である「九重青少年の家」に入所。入浴、夕食等をすませ19:00分から工作室で職員の指導で、子どもたちにサポートしながら一緒にバードコールを制作して、出来上がったバードコールを全員で一斉に鳴らしてみるなど楽しい時間を過ごした。
● 2日目 8月4日(日) 曇り雨・登山 久住山(1787m)
6:30分、起床して朝の集い、体操後、登山の行程、注意事項など説明する。
7:30分、朝食、清掃等をすませ、部屋の点検、退所式を行ない、9:00分、全員42名が、久住山牧ノ戸登山口に到着。雨模様となったため、雨合羽を着用して準備を整え9:30分、山頂を目指し出発した。そのころ雨も降り出したが、稜線まで登り、様子をみて下山するか判断することにした。
10:00分、稜線に出ると雨風が一段と強くなり、雨風とも止む様子ではなく山頂への登山は安全を期するため中止することに決定。そのことを子ども達説明すると残念がる溜息も出たが、説得して登山口に下山する。このため、10:30分から牧ノ戸登山口からタデ原湿原まで森野の中、約6キロを下る「九州自然歩道」散策に変更した。森は、クヌキ・ミズナラ・マンテンスギなどの樹林帯で、石井会員より樹木の説明を受けながら自然を観察して、2時間かけ、タデ原湿原まで歩いた。途中、森の中では、子ども達は自分で作ったバードコールを鳴らし歩いていると、小鳥が負けずと鳴き声をあげ近寄ってきて、小鳥との貴重な体験をした。
下山後、昼食をすませ、子ども達の要望により阿蘇ホームランドに立ち寄り、帰途につき19:10分、新富町JA駐車場に無事に到着して、閉会式を行なった。
子ども達からは「ありがとうございました」と元気な感謝のことば、父母より「大変お世話様になりました」と心あたたまるお礼の言葉をいただき、必ず来年の参加を約束をして無事終了した。
コラム
● 参加した子どもの父母よりお礼
日本山岳会宮崎支部の皆様には、大変お世話になり感謝申し上げます。
小学生の三女は、保育園の頃より登山教室に参加させていただき、今年で6回目になりました。夏休みに入ると登山教室の"しおり"を繰り返し読んでいました。
教室では毎回いろいろ企画を考えていただいておりますが、これも楽しみの1つのようです。親としてありがたく感謝いたします。
娘は今回、司会の進行を任せてもらったと張り切って登山教室に出かけました。おかげさまで大役を受け持つ責任感もできたようで、子どもの成長を感じ嬉しく思います。
これからも登山教室を通して学んだことを大切に、たくさんの体験と共に友情を育み、思い出を作ってほしいと願っています。(荒木利恵子)
● 参加した子どもの感想
今回の登山教室では、学べたことと楽しかったことがありました。まず学べたことは、雨天時に山に登れなかったときの活動です。僕は今回で8回目の参加になりますが、雨が降って登山が中止になったことは、1回もありませんでした。
それなのに今回、2回目の挑戦となる久住山山頂へのリベンジは、雨のため果たせないままになりました。前回の久住山はあと少しのところで時間切れとなり、下山して苦しい思いをし今回こそはと思っていたので大変残念でした。
しかし、登るはずだった登山の時間を使って、6キロの道を歩きました。花の説明を聞き、それに1日目に作ったバードコールを試してみると、鳥が実際に寄ってきました。雨天時の登山ではなにもできないと思っていたのに、植物や鳥の説明を聞くなど、こんなこともできるんだと思い、よい体験をしました。
登山教室で楽しかったことは、青少年の家での時間です。めったに会えない人たちと話せるし、毎日会っている友だちとは違う話ができるからです。今回は男子4人で少なかったけど、いろいろ話をして、一緒に活動して楽しめた2日間でした。来年も参加しょうと思っているので楽しみです。よろしくお願いします。(富田中学校3年 江口 徹)