両生類

サンショウウオ

サンショウウオ

池に大きな卵が揺れている

カエルと同じ両生類ですが、親になっても尾を持っています。日本にはオオサンショウウオを除いて17種が分布します。狭い国土にしては非常に多い種類数です。
夜行性で、地上にいる昆虫やミミズを食べています。幼生は四肢を持ち、水中でえら呼吸をします。変態して親になると、肺呼吸になり、森の落ち葉の下や河原の岩の下などで生活します。そして、繁殖の時にだけ水に入ります。産卵する場所によって、便宜上、流水型と止水型に分けられます。粒々の卵はひとまとめに卵のうで包まれていますが、卵のうは形によって、バナナ型、コイル型、アケビ型、ヤマブドウ型に分けることが出来ます。種の識別には分布域、産卵型、卵のうの形を参考にすると良いでしょう。

観察会をやっている場所

赤目四十八滝(名張市)、旭川(岡山県真庭市)、岐阜県郡上市和良町・八幡町・大和町、大分県宇佐市など


イモリ

イモリ

きれいな池に泳いでいるよ

世界のイモリ属では最も北に分布する種類で、本州、四国、九州に分布します。背中は一様に黒く、腹部には鮮やかな赤い模様があります。この模様は地域や個体によりかなりの違いがあります。幼生は水中で生活し、変態後、陸に上がります。しかし、親になっても、陸だけでなく水中でも活動するところが、サンショウウオと異なる部分です。
繁殖期は4月から7月で、オスは頭、胴、尾の黒い部分が紫色を帯びた婚姻色に変わります。オスは精子が入った精ほうをメスの前に落とし、メスがこれを体内に取り込んで受精します。産卵の仕方はサンショウウオと異なり、1粒ずつ、水草や落ち葉に挟むようにして産み付けます。琉球列島には、別種シリケンイモリとイボイモリが分布します。

よく見かける場所

尾瀨、いもり池(妙高市)、いもりの里(取手市)、生き物の里(秦野市)


アオガエル

アオガエル

水たまりにオタマジャクシがいるよ

本州には全身が緑色のカエルが3種類います。ニホンアマガエルは最大4cm、鼻先がすとんと切り落ちたかっこうで、鼻先から鼓膜まで黒い線があります。あとの2種類はアオガエルで成長すると5から8cmになります。鼻先はとがり、鼻から目に黒い線はありません。大きなアマガエルといった感じです。
モリアオガエルは白目の部分が赤みがかっています。水面上に低く垂れた木などに産卵します。卵は150個ほどからなる塊状で、卵塊は泡に包まれています。
シュレーゲルアオガエルは白目の部分に赤みがありません。平野や山地の田んぼに住み、卵は田んぼや池などの水際に産み付けられます。卵塊は泡に包まれています。キリリリリ、カララララと、美しい声で鳴きます。

よく見かける場所

山沿いの田んぼ、山合いの神社や寺の池


ヒキガエル

ヒキガエル

ときどき湿った登山道に現れる

一般にガマと呼ばれている仲間で、15cmを超す個体もある大形のカエルです。
本州には3種類が分布します。普通に見られるのは西日本のニホンヒキガエルと東日本のアズマヒキガエルです。他に中部地方から近畿地方の一部にナガレヒキガエルがいます。 
皮膚は厚く、いぼ状の突起に覆われ、表面には分泌腺を持っています。目の後方にも有毒物質を分泌する耳腺があります。体色は茶褐色、黄土色、赤褐色など、さまざまです。
平野、山地の畑、森林の落ち葉の下など、地上や半地中で生活します。跳躍力が弱く、移動はもっぱら「歩き」です。産卵場所は田んぼ、池、沼などの止水で、卵塊は特徴のある長いひも状になり、その中に1500から1万を超す卵が入っています。

よく見かける場所

川や池に近い場所