巨大地震は山が原因?

博士、伊豆半島が動いているって、ホント?

ああ、年間4cmくらい北に向かって動いている。このあいだ話しをした、日本列島でぶつかっているプレート(板)によるものだ。伊豆半島や丹沢山地は、フィリピン海プレートという板に乗っていて、約1700万年前にはフィリピン海にあった火山島だったんだ。100万年前から20万年前にかけて、つぎつぎと日本列島にぶつかってきた。いまでもそれは続いているんだ。

それで地震が多いの?

地震は、プレートのひずみによって起こる。図1のように、海側のプレートがもぐり込むとき、引きずり込まれようとする陸側のプレートが元に戻ろうとする反発で地震は起こるんだ。

だから地震はなくならないんだね。

もぐり込んでいるところは海のなかにあって、深くなっている。日本海溝とか南海トラフとか呼ばれているところだ。日本海溝の房総沖では、20万年ほど前から第一鹿島海山という山が、下に引きずり込まれようとしている。3000mから4000mの高さがある富士山ぐらいの山で、半分が崩壊していてすでに飲み込まれている状態だ。

そんな山が海のなかにあるの?

海山といって、たくさんあるよ。マグマが噴出してできた海底火山だ。プレートの動きに準じて列になっている。第一鹿島海山のあとにも香取海山、第二〜第五鹿島海山、磐城海山などがつながっている。

みんないつかは日本海溝に沈んでいくの?

おそらくは…。いま、巨大地震はこの山のせいではないかという説が出ている。もぐり込んだプレートが、山が出っ張っているためひっかかっていて、それが一気に落ちるときに陸側のプレートが跳ね返って巨大な地震が起きるというのだ。東日本大震災はすでに沈んでいた山にひっかっかっていた陸側プレートが跳ね上がってエネルギーを解放したのではないかというのだ。