日本にもあった氷河

日本でも氷河が発見されたと、書いてあったけど…。

剱岳の三ノ窓雪渓と小窓雪渓、それに立山の御前沢雪渓の3つだね。

それってすごいこと?

これまで日本に氷河はないとされていたからね。

氷河って、なに? 氷が流れてるの?

そう。氷が山の斜面を流れているんだ。

流氷みたい?

氷河は川に浮かんでいないよ。山に積もった雪が氷になって、ゆっくりと滑っているんだ。

夏でも溶けないの?

万年雪と言われ1年中雪があるよ。三ノ窓雪渓の氷河は厚さが60m、長さは1200mあると報告されている。それが1か月30cmのスピードで動いている。

ということは、1日1cm? 遅い…。

世界最大の長さといわれるパミール高原にあるフェドチェンコ氷河は、長さ77kmで、1日67cm動いているという調査がある。でも、地球温暖化の影響で、長さが短くなり、スピードも増しているらしい。

氷河が短くなってる?

大きく見れば、19世紀以降、世界の氷河が後退している。

立山の御前沢雪渓

氷河

なくなっちゃう?

まだまだなくなりはしないが、影響が出ている。たとえば氷河湖が決壊して洪水を起こしたり、鉄砲水や土石流となって下流の村を襲ったりしている。また反対に、溶け出す水の量が減って、水不足や渇水を起こすこともある。いま陸上にある氷河は、南極やグリーンランドの氷床氷河も含め、陸地面積の約11%あるんだ。でも、その面積や厚さが減少していて影響は計り知れない。